「売上をもう一段引き上げるために、工場や拠点を新設したい」――そんな成長志向の中小企業に向けた大型の補助金が、中小企業成長加速化補助金です。売上高100億円を目指す企業の大規模投資を、補助上限5億円・補助率1/2で支援します。ほかの補助金にはない特徴も多い制度なので、ポイントを整理します。

中小企業成長加速化補助金とは

この補助金は、経済産業省・中小企業庁が所管する制度で、売上高100億円という成長目標に挑む中小企業の設備投資・拠点整備を後押しします。補助上限は5億円、補助率は1/2と規模が大きく、補助事業の実施期間は交付決定日から24か月以内が目安です。

対象になる企業

誰でも申請できるわけではなく、成長ステージが要件になっています。目安は次のとおりです。

  • 売上高10億円以上100億円未満の中小企業
  • 売上高100億円の実現を目指し、そのための大規模投資を計画していること

「これから100億円を目指す、成長途上の企業」を対象にした制度、というイメージです。

3つの主な要件

申請にあたっては、主に次の要件を満たす必要があります。

要件内容の目安
100億宣言「100億宣言」をポータルサイトに公表していること
投資規模投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費の税抜合計)
賃上げ補助事業終了後3年間で、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が一定水準(4.5%以上)

賃上げ要件の「4.5%」は、基準年度(補助事業完了日を含む事業年度)と3事業年度後を比較した1人当たり給与支給総額の年平均上昇率で、全国の最低賃金の上昇率などに連動して定められる数値のため、公募回で変わり得ます。未達成の場合は、未達成率に応じて補助金の返還を求められる点にも注意が必要です。

特に入り口となるのが「100億宣言」です。これは売上100億円を目指すことを宣言・公表する制度で、成長加速化補助金の前提になります。詳しくは「「100億宣言」とは?」で解説しています。

補助対象経費――「建物費」が対象になるのが大きい

この補助金の大きな特徴が、建物費が補助対象に含まれる点です。多くの補助金では建物は対象外ですが、本制度は工場・物流拠点などの整備を伴う投資を想定しており、新設・増築だけでなく、改修や中古建物の取得も対象になります(ただし土地の取得費や、門・塀などの附属構築物、解体・撤去費は対象外です)。

  • 建物費(拠点の新設・増築・改修、中古建物の取得。※土地取得は対象外)
  • 機械装置費(器具・備品費を含む)
  • ソフトウェア費
  • 外注費・専門家経費

「設備だけでなく、建物を含む大きな投資を計画している」企業にとっては、使いどころの大きい制度といえます。

事業計画づくりのポイント

金額が大きいぶん、審査では「本当に100億円に向かって成長できるのか」という実現可能性が重視されます。投資の効果、売上・付加価値の成長シナリオ、賃上げの裏付けなどを、数字の整合を取りながら一貫したストーリーとして描くことが重要です。単なる設備の説明ではなく、成長戦略として説得力のある計画書に仕上げる必要があります。

本記事は2026年時点(最終確認日:2026年7月6日)の一般的な解説です。補助上限額・補助率・対象・要件(投資額・賃上げ率等)・スケジュールは公募回ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、必ず最新の公募要領をご確認ください。
補助金の申請書類・事業計画書の作成、官公署への提出代理は当事務所の行政書士が担当します。成長戦略の立案や採択後の経営面のご支援(非独占業務)は、提携する株式会社Red Finbackが承ります。

まとめ

中小企業成長加速化補助金は、建物を含む大規模投資に補助上限5億円という、成長志向の中小企業にとってインパクトの大きい制度です。まずは入り口である「100億宣言」の検討から始まります。自社が対象になりそうか、どんな計画が描けるか、構想段階からお気軽にご相談ください。