日本で会社を経営する外国人にとって、「いつか永住を」という目標は自然なものです。ただ、経営者の永住には「経営・管理」「高度専門職1号ハ」「永住」という3つの在留資格が複雑に絡み合うという特徴があります。2025年の改正で関係がさらに変わった今、全体像を整理しておきましょう。

3つの在留資格の関係を整理する

まず、それぞれの位置づけを押さえます。

  • 経営・管理:外国人が日本で事業を経営・管理するための在留資格。多くの外国人経営者の“土台”になります。
  • 高度専門職1号ハ:経営・管理の活動を行う人のうち、高度人材ポイント制で70点以上に達した人向けの優遇資格。永住までの期間短縮などのメリットがあります。
  • 永住:在留期間の制限がなくなる資格。原則10年以上の在留などが必要ですが、高度人材にはその短縮特例があります。

経営者の永住は、多くの場合「経営・管理(+高度専門職1号ハ)で在留を続け、要件を満たして永住へ」という流れをたどります。

【重要】経営・管理の新基準に適合しないと永住に進めない

ここが2025年改正で特に重要になった点です。改正後の運用では、改正後の「経営・管理」の許可基準に適合していない場合、「経営・管理」や「高度専門職1号ハ」(経営・管理活動を前提とするもの)からの永住許可は認められず、高度専門職1号ハから2号への変更も認められないと整理されています。

つまり、永住や高度専門職2号を見据えるなら、その前提としてまず経営・管理の新基準(資本金3,000万円・常勤職員・日本語・事業計画の専門家確認など)を満たしていることが出発点になります。「高度専門職で点数は足りているのに、経営・管理の基準が未達で永住に進めない」という事態を避けるため、土台の整備を最優先に考える必要があります。改正の全体像は「【2025年10月改正】経営・管理ビザの5つの新要件」をご覧ください。

高度専門職1号ハで永住を最短化する

土台が整っている前提で、永住までの期間を大きく縮められるのが高度人材ポイント制です。学歴・職歴・年収・地位・特別加算などを点数化し、次のような優遇があります。

ポイント永住までの在留期間の目安
80点以上最短1年
70点以上3年
70点未満(一般)原則10年

80点/70点は、永住申請時に満たすことに加え、その1年前/3年前の時点でも満たし、その期間を通じて継続して保持していることが必要です。経営者(高度専門職1号ハ)は、代表者としての地位や年収などで加点しやすい面があり、点数が意外と届くケースもあります。まずは自分の点数を把握することが第一歩です。

2027年4月から変わる永住の「在留期間」要件

永住には、素行善良・独立生計・公租公課の適正な履行(税・年金・保険を期限内に納付)などの要件がありますが、「在留期間」の要件が改正で厳しくなる点にも注意が必要です。

これまでは在留期間「3年」があれば「最長の在留期間」を持つものとして扱われてきましたが、この取扱いは2027年4月1日をもって改められ、各在留資格の最長の在留期間(就労系では多くが「5年」)を持っていることが原則必要になります。ただし、2027年3月31日時点で在留期間「3年」を持つ方については、その在留期間内の初回の申請に限り特例として扱われます。永住を検討している方は、この時期も意識してスケジュールを立てるとよいでしょう。

本記事は2025年10月施行の経営・管理の基準改正、および永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)等をもとにした一般的な解説であり、2026年時点(最終確認日:2026年7月6日)の情報です。要件・運用は変わり得ます。実際の申請にあたっては最新の情報をご確認ください。
在留資格の変更・永住許可申請の書類作成・入管への提出代理は当事務所の行政書士が担当します。経営面のご支援(非独占業務)は提携する株式会社Red Finbackが承ります。

自分の最短ルートを確認する

経営者の永住は、経営・管理の基準・高度人材ポイント・永住の在留期間が絡み合うため、「自分の場合の最短ルート」は一人ひとり異なります。当事務所では、現在の状況を選ぶだけで永住・帰化・高度専門職の最短ルートと次の一手がわかる無料の「最短ルート診断」を公開しています。あわせて「高度専門職ポイント計算」「永住許可 要件診断」もご利用ください(いずれも入力内容は送信されません)。

まとめ

経営者が永住を目指すうえでの最大のポイントは、土台である経営・管理の新基準を満たすことです。そのうえで高度専門職1号ハ(70点/80点)を使えば、永住までの期間を大きく短縮できます。2027年4月からの在留期間要件の変化も踏まえ、早めに全体設計を描くことが近道です。ご自身の最短ルートの相談は、お気軽にどうぞ。